理事長所信

2021年度スローガン


一般社団法人 長門青年会議所
第58代 理事長
清水 裕介

 

はじめに
 一般社団法人長門青年会議所は、「明るい豊かな社会の実現」を運動の理念に掲げ、1964 年に発足いたしました。設立から今年に至るまで57年もの長きに渡り、諸先輩方の「英知」と「勇気」と「情熱」により受け継がれ、時代背景に合わせ内容を進化させながら長門地域の活性化のため事業を展開してまいりました。諸先輩方が紡いできた志や想いは、今も我々の心に根付き受継がれております。
 これからも受け継がれてきたものを根底に持ちつつ、「修練」「奉仕」「友情」の三信条のもと取り組んでまいります。変わりゆく時代の流れにも適応しつつ、新たな取り組みにも積極的に挑戦しながら、一歩ずつ力強く前進していく所存でございます。

 

まちのことを考え、ひとを育てる
 長門市の人口は1市3 町合併当時2005年の約4万1千人から15年経過した現在では約3万3千人と約8千人が減少しており、長門市は人口減少に伴う問題も多く抱えております。それもただ人口が減少しているのではなく、少子化が進むと同時に若者の流出も増えてきており、歯止めの利かない状況となっております。
 我々はこのような現状にしっかりと向き合い、これからどのような取り組みをしていくべきかを考え、行動に移していかなければなりません。そのためには、これからの長門市を担っていく若者たちに我がまちの魅力に気付いてもらい、郷土愛を深めていくことが解決に向けた第一歩になると考えます。一般社団法人長門青年会議所は、これまでに開催してきた「ながとサクラ街道in 俵山」や「スポーツフェスティバル2019」などのように、きっかけとなる事業をこれからも計画し、若者たちを巻き込みながら実施できるよう努めてまいります。
 また、近年多様化してきているインターネット社会の影響もあり、コミュニケーション能力が低下している子供たちが増加傾向にあります。その中でもSNSの普及が著しく、実際に人と対面しコミュニケーションをとる機会が激減してきているというのが現状です。この状況が続いていくことで、子供たちの社交性だけでなく自律性も失われていく可能性があります。
 同じ世代の子供同士が同じ目的に向かい活動し、交流する機会を提供することで、関わった子供たちのコミュニケーション能力の向上を促し、社交性を育むことにつながります。また、自らが目標達成に向けて積極的に取り組むことで、自律性を養うことができます。一般社団法人長門青年会議所では、これまでも「日韓親善交流事業」や「わんぱく相撲」など子供たちを対象とした事業を開催し、長年に渡り携わっております。これからも一般社団法人長門青年会議所は子供たちに様々な経験を積む場を提供し、この先さらに加速化していくグローバル社会に対応することのできるひとづくりに貢献していきたいと考えております。

 

 

必要とされる人財
 長門市は現在も消滅可能性都市に名を連ねており、少子高齢化と人口減少が深刻化してきております。20~40歳という若い年齢層で構成される一般社団法人長門青年会議所においても会員数が減少し続けており、今後の活動に支障をきたしかねないというのが現状です。我々が活動を展開し続けるためには、より多くの同志を募り、この地域における一般社団法人長門青年会議所の影響力を高めていかなければなりません。それができなければ我々長門青年会議所の未来はなくなり、延いては長門市の明るい未来への道も閉ざされてしまいます。
 そうならないためには、地域に根付いた地道な運動に取り組み、この地で生まれ育った人たちが長門市の魅力に気付けるような事業を実施し、多くの人々に発信していくことが重要です。また、入会して活動することで自らの成長の機会となり、かけがえのない仲間とも出会えることが青年会議所で得られるものであり、それを伝えることが会員を拡大していく上で大切であると考えます。今後、長門青年会議所が存続していくためには会員拡大並びに会員育成が最重要課題であり、そのことを会員それぞれが認識することで、団結力が高まり、会員の成長や事業の成功につながります。まずは一般社団法人長門青年会議所の魅力を発信することが、人財を集めるために必要な第一歩であると考え、運動に勤しんでまいります。

 

おわりにへ
 私は小学生の頃、青年会議所主催の事業「わんぱく相撲」がきっかけで相撲を始め、全国大会にも出場しました。そして、中学 校卒業後には相撲部屋へ入門し、プロの力士として夢に向かって挑戦することができました。その後、引退することになりましたが、私に人生を変えるほどの出会いを与えてくれた青年会議所に引退後入会し、本年度には理事長を務めさせていただけることとなり、青年会議所とのつながりをとても縁深く感じています。
 昨年2月中旬頃より国内にて感染拡大した新型コロナウィルスの影響により、昨年度のわんぱく相撲や多くの集客事業は中止となりました。本年度、わんぱく相撲のような不特定多数の人々を対象とした様々な事業を行う際には、国または自治体が発表しているガイドラインに沿って事業を計画していかなければなりません。
 昭和の大横綱といわれた大鵬も、このような言葉を残しています。「もうだめだと思った次の瞬間にもう一歩と踏ん張る、耐える精神力が、何者にも負けない、打ち勝つ力を養う。」この言葉に倣い、コロナ禍であるとともに会員減少という厳しい状況だからこそ、常に考えながら、あらゆる状況に適応しつつ、果敢に前へ前へと一歩ずつ進んでいかなければならないと考えます。その先に会員の成長、組織の団結、そしてその結果として地域の発展へとつながることを確信しております。
 私は一般社団法人長門青年会議所2021年度理事長として、諸先輩方が築いてこられた歴史と伝統を大切にしつつ、変わりゆく時代とともに進化をしながら、積極的に青年会議所運動に取り組み、「明るい豊かな社会の実現」に向けて邁進してまいります。